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238. 朝の写真なのに夜の思い出話を

 



20220717

爽やかな朝の写真なのに、夜の思い出話を。




どこの街だったか覚えていないけど(調べたら出てくるかも。カミーノで書いていたノートもあるし)、そこのアルベルゲで。

確か、外か軒下か。椅子かなにかが並べられていたんだと思う。

またもやはっきりしないけど、そういうときにやっていたのはノートに日記というか日誌を書いていたんだと思う。

突然、異国のおぢさまに声をかけられた。
40代くらいかなぁ。ただしヨーロッパの人たちの年齢はわからない。
そしてフェロモンがいっぱいで、私はたじろぐことが多い。

まぁいいや。

「あなたは日本人ですか」

と丁寧に聞かれた。

「そうだ」と答えると「リューイチ・サカモトを知っているか」とまた聞かれた。

世界の坂本!教授!

「ラスト・エンペラー」より「戦場のメリークリスマス」のほうが映画としても好きですが。もっと好きなのは生命保険の古いCMの坂本龍一さんだ。

真面目な顔をしながらシャツにアイロンをかけたり、昔ながらの床屋さんみたいなところでシェービングクリームを塗り専用のカミソリで髭をそってもらったりするシリーズ。
キレッキレの坂本さんがよいです。

「はい、知っています」と教科書にあるような返事をしたのだと思う。
だって、私の英語は中学英語だから。


その人はベルギー人で、坂本龍一の大ファンだという。
その「サカモト」と同じ日本人に初めて会い、嬉しくなって声をかけたのだと話した。

「今も彼の曲を聞きながら歩いている」とあれはちっこいiPodかなにか。
とにかくミュージックプレイヤーに坂本龍一の曲がずらりと入れているリストを見せてくれた。

最後に「ベルギーを知っていますか」「はい」「行ったことはありますか」。

よくある会話ですね。

行ったことがない、と言うとそれは残念だと彼は答え、ベルギーのなにを知っているか、と聞かれた。

うーん…すみません。よく知りません。

「ビール」

……ほんと、すみません。

彼は「ビールも有名だけど、チョコレートが有名だよ!」と、他にも素敵な街並みのことも教えてくれて、「じゃあね」とジェントルに去っていった。