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219. うちのパエリア食べたヤツ

 




この日のアルベルゲは大人数だった。
キッチンは占拠。

それは以前、私が食べた豆のパエリアを作ったスペイン人の親族だか友達だかわからないが、あのすごい集団がいたからだ。

スペイン語でまくしたてられ、私が理解していないとわかると、なまりの強い英語で話しかけられる。
私も日本語なまりの強い英語でちょっと答える。
その中で
「こいつ、見たことある!」
「そうだ、うちのパエリア食べてたヤツだ!」
「そうだそうだ!」
みたいな、やりとりがあったようだ。
(と、私は勝手に解釈している)

そして「また食べるか」と聞かれ"Si.(はい)"とちゃっかり答えてしまった。

なにか手伝おうかと言うと、料理は屈強でお腹のすごいおじさまやお兄さんが作るからいらないと断られた。
じゃあ、見ていいか。と言って見ていたら、
「おまえ、腹が空いたんだろう」と言われ、また"Si."と答えたら「トルティージャを食べるか」と聞かれた。
私の中では「トルティーヤチップス」しかなく「???」としていたら、「おまえは絶対知っている。おい、作ってやれ」と若い兄ちゃんがおぢさまに言われ、ジャガイモのオムレツを作ってくれた。
うまうま。



そのあと、すごい人数で始まる夕食にも参加する。
作っていたのはスパイスがよく効いた煮込み。
うまかったが、油がきつく、普段あっさりしたものを食べているので、つらかった。
量が少なかったら、「おいしかった!」で終わったかも。

それでもパンに浸して食べるスープは豪快で、よかったなぁ。



ここでも「日本からひとりで来た」と言うと「泳いで?」とクロールの真似をされる。
これはしょっちゅうだったので、巡礼の最後のあたりでは「またか…」となっていた。




20210207