編集

212. 出発にペーパーナプキンの白い花

 



お世話になったアルベルゲのホスピタレイロの一人に「君と一緒に歩きたいな」と言われた。
もっと言えば、好きになったからつきあってほしいとも言われた。
そのとき、つきあってるかもしれない人がいたので丁重にお断りした。

こんな曖昧な書き方をするのは、その人と恋人同士だとどうしても感じきれないことがたくさんあり、自分のことは「都合のいい女なんじゃないか」と思っていたからである。

結論を言えば、その答えを出す旅でもあった。

それは非常に消耗し、私のカミーノは苦く苦しくとても嫌な体験にもなった。
疲弊がひどく「あー、楽しかった!」と思えない経験である。

そんなこともあり、このカミーノブログは何度も更新を停止している。
苦しい経験とまた向き合うことになるから。

もう15年も過ぎるので、そろそろ解放されてもいいんじゃないかな。とも願う。




朝が来て、ホスピタレイロがペーパーナプキンで作り、端をライターで焼いてぎざぎざの花びらにしたお花をくれた。
私はそれももらって、また歩き出した。





20210202