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022. この電車はまだ走っているのだろうか

2020/03/13



1度、乗り換えがあった。
乗り換えがとても苦手な私はまた緊張が走っていた。

無事に乗り換えが済むとほっとした。

新しい電車にはザックを担いだ人がたくさん乗っていた。
そうだ、彼らもカミーノを歩くんだ。

車内に紙切れを持った男性が回ってきた。
私のつたない英語力で理解したと思われることによると、この電車は廃線になりそうなのだが、巡礼者にとっては大切な電車なので署名を集めている。
私もその小さな紙に名前を書いた。


巡礼の出発地点、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーに近づいた頃、木の杖の先に丸い球をつけた迫力のある男性が私の向かいに座った。
ちょっと自信に満ちみちで鼻についたが、巡礼は何度もやっているらしく、彼を知る人は「素晴らしい人だ!」と尊敬のまなざしを送っていた。

私は初めてだよ。
回数じゃねーだろ。