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130. こんなところでアジサイを見るなんて!

2020/03/13



アジサイは自分の中で、「梅雨時期の花」と認識しているので、5月の、それもスペインで出会うと、とても意外な気がした。

不思議な感覚を覚えながら、思い出すのはシーボルトと滝のカップルのこと。
アジサイは美談か。
そこにあったことはなんなんだろう。

このとき、私はオーストラリア人とつきあっていた。はず。
実感が持てないまま、とても悲しくて寂しい気持ちのまま、旅立っていた。

「多分、私は彼に別れを告げるために旅立つんだと思う」
そう感じながら、日本を出た。


国際恋愛の難しさ。
彼との意思疎通の難しさ。
一度も恋人だと言われたことがなかったこと。

不安と寂しさと悲しさと自信のなさとネガティヴなことが渦巻く。

そんなことを思いながら、アジサイを見ていた。


せめて、お滝さんがハッピーだと感じる瞬間があったことを祈るばかり。